
館内とオンラインのハイブリット開催でアリラン・ブックトークVol.8「『北の詩人』と林和」を開催しました。ゲストには武蔵大学教授の渡辺直紀さんをお招きしました。会場とオンライン合わせて58名が参加しました。(2024/5/18)
ゲストの渡辺直紀さん(写真右)と司会の鄭栄桓さん(写真左)

ー 講演の感想
・小説の背景について興味深いお話、また多くの質問にもお答えいただきありがとうございます。
・書籍を70Pくらいまでしか読んでおらず、理解がおいつくのが難しかったのですが、全く新しい分野のことで、大変関心が湧きました。
難解な『北の詩人』について解説される渡辺さん

・理解しがたい本であったし、又、今の世情の中でこわいと思いました。チョンガンホンさんのお話興味深かったです。
・当時の日本の言論界の風潮(スターリンの死に対する、非左翼の知識人文化人の宗教的追悼など)は、社会主義側の政策に無批判が当然のこととされていた。批判的思考の低迷を問題とすべき。(現下のウクライナ侵攻に対し、NATO東方拡大・ドル基軸・二重基準を理由にプーチンを擁護することが自己の「進歩性」の証しであるかのような一部の言動に通底する。)なお、この論者が往々にして欧米の衰退に対置して「グローバル・サウス」の人口・GDP等を挙げるが、植民地的貧困からの多産多死が医療の一定の向上で人口爆発となっての人口増であり、外資や官僚資本による工業化による自営業の減少によるGDP増を「国富」「民富」にすりかえるとは植民地近代化論を思わせる。
1時間以上に及ぶ講演はとても聞き応えがあった

・非常に充実したイベントでとても面白く拝聴しました。大村先生とのお話や、韓国での評価や影響など興味深い話題が満載でした。配布していただいた資料も、読んでみたいと思っていたものですので、ありがたい限りです。『北の詩人』をもう一度読んでみようと思いました。 ところで、イベントの最後の方で、司会の鄭さんがおっしゃっていた、在日朝鮮人の社会でよく歌われていた林和の歌というのは「人民抗争歌」でしょうか?拙訳『詩人白石――寄る辺なく気高くさみしく』で著者のアン・ドヒョンが引用していましたので、気になりました。ちなみに、アン・ドヒョンは2012年に第4回林和文学芸術賞を受賞しています。林和の名前を冠した文学賞が創設されているということは、韓国での林和への評価は昔とは違ってきているのではないかと思います。次回も楽しみです。
質問にも気さくに応答される渡辺さん
