
館内とオンラインのハイブリッド開催でアリラン・ブックトークVol.27『マテニ10号』を開催しました。ゲストには作家の姜信子さんをお招きしました。会場とオンライン合わせて78名が参加しました。(2026/8/1)
ゲストの姜信子さんと司会の鄭栄桓さん

— 講演の感想
・20年たてば知らない人が多くなる。近現代史を学ばない教育がそれを助長する。というようなお話が印象に残りました。
・ファン・ソギョンさん姜信子さんありがとう。ガザの現在に日本侵略者と植民地主義をみる視点に心から共感します。
重厚な物語を翻訳された姜信子さん

・植民地をむしばんでいった、日本人のお金持ちの企業たち。強制労働させていたことを、当時の日本人は知っていたのだろうか?知っていながら、わかっていながら、何も言わなかったのか?戦後、ウラ返しとなる(ミナマタ病)事象が人を苦しめたことが、苦しめられることになることをよく現わしている。
・初めて姜さんのお話を聞きました。とてもわかりやすく、勉強になりました。水俣との関連を話されていて良かった。
姜信子さんの言葉一つひとつに歴史と現在に対する思いが垣間見えた

・とても引き込まれるお話でした。学ぶことが多かったです。自分が生きてきた人生と重なる部分があり、よりリアリティを感じました。気になりながらまだ読めていなかったんですが、絶対読もうと思いました。
・神保町のチェッコリで偶然イベントのチラシを手にしました。こちらのセンターのことは初めて知りました。「マテニ10号」は読みたい本リストに入れたまま、未読でオンライン参加しましたが、姜先生の理路整然とした熱い講義は、非常に有意義でした。大変興味深く、全く集中も途切れずに聴くことができました。ぜひ早く本を読みたいと思います。もっと早くこちらのことを知っていれば、今までの講座も参加できたのにと悔しく思っています。次回も参加するつもりです。
今回のテーマ本に関連して『李載裕とその時代』を翻訳されたアリランの元吉宏理事(写真・左)から一言いただいた

・昨日は興味深いお話を聞くことができ、どうもありがとうございました。スライドで当時の永登浦や仁川の様子がわかり、小説の内容がより立体的になったように思いました。心に残った言葉は「記憶喪失の風景」です。本文を読んだときには、「聞いたことがある」などの言葉遣いに違和感を覚えましたが、それが権力側の意図であったことの指摘に植民地主義の深層を思いました。また最後の「負け続けることで希望をつないでいく」を聞き、徐京植さんが文章の中でサイードの「それは、ほとんど勝算がないにもかかわらず真実を語り続けようとする意志の問題」という言葉を引用していたことを思い出しました。死者が度々登場することについては、まさにハン・ガンのスピーチにあった「死者が生きている人を助けている」だと思いました。私たちは死者に助けられながら、希望をつないでいけるのだと思います。
米1俵の重さを取り上げてくださりありがとうございました。朝鮮のお米1俵80キロを日本では60キロとして買い入れたのではないのかとちょっと思ったりもしました。
司会の鄭栄桓さんの視点が更にトークを深めた

・姜信子さんの言葉「今生きている自分の世界が、実はこの小説を基にしたものと気付いた」「何を教えて、何を封じるかはその時代の政府が決める➡本当の歴史は伝えられない」「植民地主義にまみれた日本社会」その他多数の言葉が印象に残っています。今の日本社会は情報操作をはじめファシズム的動きが広がり、歴史を逆流していると感じます。
「マテニ10号」は本当に素晴らしい小説だと思いました。翻訳して下さって心から感謝しています。たくさんの知人に勧めています。私は女性労働運動を長年闘ってきたので、労働組合活動に関心があり、韓国の全国女性労働組合とも交流したことがあります。シン・グミの最後の「贈る言葉」が胸に響きます。何があっても希望を捨ててはいけないと、心からそう思います。ファン・ソギョンさんの小説は、「たそがれ」や「「囚人」も読みました。
姜さんのお話し、本当にありがとうございました。
たくさんの方にご参加いただき盛況だった
